ほとんど記憶のない女

著者
出版者
白水社
価格
¥1,995
失敗から学べることならそうしたいが、世の中には二度めがないことが多すぎる。じっさい、いちばん大切なことは二度ないことだから、二度めにうまくやることは不可能だ。何か失敗をして、どうすればよかったのかを学習する、そして次こそうまくやろうと心構えをしていると、次の出来事は前のとはまるでちがっていて、また判断をまちがえる、そして今回のことについては心構えができるが、同じことが繰り返されることは二度となく、結局何の心構えもできないまま、また次の出来事が起こる。
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とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた。(P8)(「ほとんど記憶のない女」冒頭)
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