死ねばいいのに

著者
出版者
講談社
価格
¥1,785

つぶやき

ひどいタイトルだけれど、人間の本音と心の闇を引き剥がしていく様はおかしくもあり、残酷。居心地の悪さを感じる作品。京極堂シリーズのような内容を期待していると裏切られるかも。
ひどいタイトルだけれど、人の本音を引き剥がしていくところは面白くもあり、残酷でもある。

評価・詳細レビュー

(5.0点)

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(5.0点)
京極氏の本は出版された単行本はほぼすべて読んでいるけれど、この本は優れものの部類だ。

このところの氏の作品は巷説百物語シリーズに見られるように、百鬼夜行シリーズにない丁寧すぎる心理描写が目立つようになってきた。その路線の終着点が、先年著者が世に問うた「厭な小説」だと思っていたけれども、それよりも数段、本作のほうが厭な気持にさせられた。

読んでいる人の弱さやいやらしさが存分に暴かれていくような前半は厭な気持ちにさせられっぱなし。ところがパタンと衝撃の事実が明かされて以降は打って変わってその厭らしさが人のこころの不思議さへの驚きへとかわっていくからすごい。

構成といい、厭な気分にさせる筆致といい、文句なし。

'11/10/23-'11/10/25

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(4.0点)
絶望と希望、優と劣、富と貧そして生と死の境界をヒリヒリするほど強烈に曖昧に指摘してる。感情移入はできそうでできなかった。けど登場人物みんなが確かに生きていて、死んでいる唯ひとりがいちばん多くを語っていた。

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