神器〈下〉―軍艦「橿原」殺人事件

著者
出版者
新潮社
価格
¥1,890

評価・詳細レビュー

(5.0点)
上巻の感想では書かなかったけれど、この本、実は太平洋戦争論、日本人論としてかなり突っ込んだところまで書いている。

平和ボケの私には分かり様のない戦争の理不尽さや、戦争に行った人間が今の平和な世に対して頂く複雑な思いなどを含め、皇室や戦後の日本人に対して辛辣なまでに筆が走っている。

戦争に赴く人間の滑稽さや理不尽さとともに、敗戦をへた日本人は日本人なのか?という極端な問いが発せられているこの小説からは、単純に戦前の日本が悪かった、いや良かったなどといった立場を超えて、ただ日本人として在っていくこと、戦後の繁栄する世間が美徳を忘れていようといまいと、それを受け入れていくという姿勢を問われているように思えた。

ここまで皇室や戦後日本人を辛辣に書いてこそ、逆に肯定するという考えもあるのだろうなと。

'11/10/22-'11/10/22

参考になった人:0人   参考になった
ウィッシュリストへ追加
非公開
タグ

メモ


ライブラリへ追加
非公開
評価
 
読書ステータス
つぶやく
タグ

メモ


タグを入れることで、書籍管理ページで、タグ毎に書籍を表示することが出来るようになります。
また、スペース区切りで入力することで1つの書籍に複数のタグをつけることもできます。

※注意: このタグはあなたの管理用だけでなく、書籍自体のタグとしても登録されます。あなた以外の人に見られても問題ないタグをつけてください。
ウィッシュリストからライブラリへ移動
評価
 
読書ステータス
つぶやく