お茶やコーヒーや紅茶がブランデーやワインやウイスキーに比べていかに安上がりな飲みものか、彼女は痛感しているところだった。成城石井で買ってあまり味も分からないくせにがぶ飲みしていたワインは一本五、六千円のものだった。八女や宇治の最高級の煎茶でも百グラム三千円もしないし、百グラムあれば十日間は楽にもつ、それに頭が冴える、酒ではなくお茶を飲むように、と全世界のゲリラ、テロ・グループの指導者が言っていて、それを実践したのだが、正しかった。