脳と身体の動的デザイン―運動・知覚の非線形力学と発達 (身体とシステム)

評価・詳細レビュー

(5.0点)
前半は、二足歩行のシュミレーションモデルから得られた知見に関するもので、後半は赤ちゃんの行動から得られた知見に関するもの。

二足歩行モデルにおいて重要なことは、このモデルでは歩きや走りに対応した明確な記号が制御元から与えられるわけではなく、外界・身体・神経系全てがまとまって力学系の相空間をなし、リミットサイクルによって歩行が形成され、自発的に歩きや走りが起こるということである。さらに、上位の制御系を加えることによって、障害物をまたぐなどの目的に即した行動も起こすことができる。この議論に関しては、力学系の言葉を用いてかなりはっきりと書かれていてわかりやすい。とにかく行動がシステム内で自発的に組織化され、ソウハツされるということである。

後半の赤ちゃんの行動・認知に関するU字型変化をめぐる議論はさらに力が入っている。U字型変化とは、赤ちゃんが生まれた時からある意味で高い能力を持つ運動パターンや認知能力が生後2ヶ月の頃一度落ちるように見える現象のことである。

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