陰翳礼讃 (中公文庫)

つぶやき

どの編も、隠居老人がぶつぶつと言っている感じで、「もっとさっぱりできないの?」と思ってしまうのだが、どれも感覚としては的を得ているのがくやしい。
当時よりももっと欧米化した世界たる現代にて、日本的なものから感じ取る方法を学ぶためのもの。
懐古主義による恨み節。
とはいえ、日本家屋の暗い間で螺鈿を光らせてみたくはなるなど、現代で実感したことはないが美が想像できる状況を根気よく喚起させてくれる。

ちゃちくてもよいので、体験施設があると外国人観光客を呼べるか?
とりあえず、芸大美大生は読んどけって一冊

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引用

19頁
そこでわれわれは、機械に迎合するように、却ってわれわれの藝術自体を歪めて行く。西洋人の方は、もともと自分たちの間で発達させた機械であるから、彼等の藝術に都合がいいように出来ているのは当たり前である。そう云う点で、われわれは実にいろいろの損をしていると考えられる。
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