言語を生みだす本能〈上〉 (NHKブックス)

評価・詳細レビュー

(4.0点)
 よく理解できなかった部分もあるけれど、基本的には読みやすい。
 この本によれば、フロイトの失錯行為というのはありえない。というのは、ベンジャミン・リー・ウォーフの言語決定論への批判からそういうことになる。決定論というのは「言語(母語)が思考を規定する」という仮説のことだから、言い間違いが本心のあらわれだというのは当然間違いだということになるわけだ。
――引用――
 考えてみてほしい。なにかいったり書いたりしているとき、どうもこれは自分の言いたかったことではない、という気がしたことはないだろうか。誰でもそんな経験があると思う。そう感じたからには、自分が口にしたこととはべつの「いいたかったこと」があるはずである。それをうまく伝えられる言葉を探すのが難しいことも少なくない。
――引用終わり――
 ここではジョージ・オーウェルの『一九八四年』を使っていて、短いが読み応えのあるところだ(おれはこの本を読んで『一九八四年』に興味を持った)。
 生成文法に代表される言語生得論の立場に立った言語論ということなのだが、認知言語学や記号論と抵触するところがあって、しばらくやる気がなくなってしまったのも今ではいい思い出である。

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