社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

経営幹部の雇用において大切なのは、指導者(リーダー)と管理者(マネージャ)の違いを見極めることだ。たとえば、銀行の支店長には、マネージャとしてリスクの回避能力が求められる(上層部の承諾なしに貸付を行ったりはしない)。マネージャは短期的な視野に立ち、与えられた戦略計画をひたすら実行し、現状の維持に努める。かたやリーダーはリスクを負い、長期的な視点に立ち、戦略計画を練り、変化を促す。 ― 230ページ
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上官の「突撃!」のかけ声に疑問も持たず塹壕から飛び出す歩兵のような人たちは、私たちは雇っていない。指示に従うだけの働き蜂はいらない。ほしいのは、おかしいと思った判断について問い質すことのできる従業員だ。 しかし、ひとたびある判断を受け入れて、正しいと認めたなら、鬼のように働いて最高の品質のものをーそれがシャツであれ、カタログであれ、店舗ディスプレイであれ、コンピュータプログラムであれー生み出す従業員だ。 ― 228ページ
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製品を使う人間と作る人間の間には境界線はなかった。顧客の関心事は、すなわち従業員の関心事だった。 ― 216ページ
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私たちは大企業になることには興味がない。優良企業になりたいのであり、小さな優良企業のほうが、大きな優良企業よりも実現しやすい。 ― 213ページ
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ロイヤルカスタマーに販売することが最も利益に結びつくことを、私たちは知っている。ロイヤルカスタマーにはほとんど販売努力をしなくても新製品を購入してくれるし、友人たちに宣伝してくれる。ロイヤルカスタマーに製品を一つ販売することは、ほかの顧客に一つ販売するのに比べて収益上、六倍から八倍の意味を持つ。 ― 211ページ
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世界一のクライミング道具を作る鍛冶屋が起源であること。そこで働いていた自由思想の自立したクライマーやサーファーたちの信条、考え方、価値観が、パタゴニア文化の基礎をなしているーそしてその文化から、一つのイメージが生じた。実際に使う人々によって作られた、妥協のない本物かつ高品質の製品、というイメージだ。 ― 193ページ
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一流小売店を経営する秘訣は、秘密でもなんでもない。熱心な仕事ぶりとすばらしいカスタマサービス、この二つに尽きる。 ― 192ページ
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品揃えにこれを少し、あれを少しと加えていった結果、こうした店は非専門店に変わってしまいました。アウトドアショップの平均的な顧客が、平均的な好みと平均的な心理の持ち主であるなら、問題はないかもしれません。しかし実際は、お金はあっても自由時間はさほどない賢明な人たちが中心です。 ― 189ページ
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変化に抵抗するのではなく、変化を進んで取り入れる気構えだ。深い考えもなく変化に飛びついたり、新しいアイデアの相対的な利点を秤に掛けたりするのではなく、絶えず目を配りさえすればもっと新しい方法が見つかるはずだという姿勢で臨まなくてはならない。 ― 166ページ
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格安スーパー向けショーツを縫っていた契約業者が、パタゴニアの仕事を請け負っても、ビジネス的に何の得にもならない。こうした最低価格ベースで仕事をする縫製業者は、私たちの求める技術を持つ縫製工を雇ったり、進んで作業環境や環境基準などの視察を受け入れたりはしないものだ。 ― 159ページ
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「同時進行」と呼んで、組み立てライン製造の対局に位置づけた。後者の場合、一工程の責任が段階的に次の工程に引き渡されるのに対し、コンカレント手法ではデザインの最初の段階から全員が参加する。 ― 157ページ
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真のグローバル企業になるためには、現地の人々の好みに合わせてデザインし、機能性やサイズや色を適応させなくてはならない。私たちは今後、現地での生産を増やし、中央集約的な生産を減らしていくつもりだ。 ― 133ページ
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発明にはときに三十年もの歳月がかかるのに、すでにあるアイデアをもとに生まれた確信はといえば、わずか数年、ことによると数ヶ月足らずで千にのぼる。つまり革新は、すでに出発点として既存の製品のアイデアなりデザインなりがあるため、はるかに短い期間で達成できるのだ。 ― 129ページ
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創造性には二種類ある。ゼロから一を踏み出す創造性と、一を千にする創造性だ ― 128ページ
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同じ価値観に従って行動し、各部門の理念を知ることで、私たちは共通の目的に向かって一つにまとまり、効率性を高め、意思疎通の不足から生じる混乱を避けてきた。 ― 110ページ
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たとえビジネスのやり方が次々に変わろうと、価値観、文化、理念いつまでも変わらない。 ― 110ページ
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そして経営と持続可能性の模範として目を向けるべき対象は、アメリカ経済界ではなく、「イロコイ族」とその「七世代計画」であること。 イロコイ族は、意思決定の過程において七世代先の子孫のことを常に考慮する。パタゴニアが今回の危機を乗り切れたら、あらゆる意思決定を百年先までビジネスを続けるという前提で下さなくてはならない。それほどの長期間にわたって維持できる速度で、成長を続けていくのだ。 ― 101ページ
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たとえば弓道では、目的ー的を射ることーを頭から消しさり、代わりに矢を放つ動作の一つ一つに精神を集中する。構えの姿勢をとり、手を後ろへもっていき、矢筒から滑らかに矢を引き抜いたら弦にあて、呼吸を整えて、矢が自ずから飛んでいくままにする。 各動作をすべて完璧に身につければ、いやでも矢は的の中央を射るはずだ。 ― 101ページ
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私はクライマーであり、サーファー、カヤッカー、スキーヤーであり、そして鍛冶職人だ。ただ単に、私や仲間がほしいと思う性能のいい道具や機能的なウェアの制作を楽しんでいるだけ。
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仕事は毎日、楽しめなくてはならない。会社に来るときはウキウキと、階段も一段飛ばしで駈けあがるようでなくてはならない。一緒に働く友人たちには、好きな服装でいてもらう。裸足でも可。誰もがフレックスタイムで働いて、波のいいときはサーフィンを楽しみ、猛吹雪のあとはスキーでパウダーを堪能し、子供が病気になれば仕事を休んで看病する。仕事と遊びと家庭の境界線をはっきり引かないでおく。
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結局、「社員をサーフィンに行かせよう」という精神は、私たちの会社の「フレックスタイム」と「ジョブシェアリング」の考え方を具現化したものにほかならない。社員が会社の外にいる以上、どこかでサボっているかも知れないからだ。しかし、経営者がいちいちそれを心配していては成り立たない。私たち経営陣は、仕事がいつも期日通りに終わり、きちんと成果をあげられることを信じているし、社員たちもその期待に応えてくれる。お互いに信頼関係があるからこそ、この言葉が機能するのだ。 ― 4ページ
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