地上―地に潜むもの

著者
出版者
季節社
価格
¥2,415

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Obara 
キチガイという天才。

評価・詳細レビュー

(1.0点)
 で、島田清次郎。
 日本文学の神のようにいわれている夏目漱石が現役バリバリのころ、さほど人気がなかったのは有名である。では、そのころ人気があったが、今ではすっかり忘れ去られてしまった作家といえば? 島田清次郎である。島村藤村も人気があったらしいが、こちらは今日でも知られている作家だ。まあおれ読んだことないけど。
 島清は性格がものすごい悪かったのだそうである。とくにここにおさめられている『地上』の第一部が空前の大ヒットを飛ばし、しかも一部の評論家からものすごい高評価を得てからかなり調子こいてしまったらしく、あらゆるメディアから干されてしまった。
 『地上』は第四部まで書かれているのだが、回をおうごとに小説として破綻し、ひどく傾いた主張を込めるようになったと言われ、いずれにしろ売れなかったらしい。今もこの本以外はそうそう手に入らないだろうし、この本も季節社という聞いたこともない出版社しか扱っていない。
 第一部はどうなのかというと、まあ売れないだろうとしか。ひどい熱を出した三島由紀夫が描くバンカラといった具合である。何がおもしろいのかさっぱりである。

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