現代思想2012年4月号 特集=教育のリアル 競争・格差・就活
(ある)学生は日本学生支援機構の第二種奨学金を月十二万円ずつ借りていて、卒業後の奨学金返済が心配でうつ病になってしまった。カウンセラーの方が学生に、「なぜ学費が払えないことがわかっていて入学したのか」と聞くと、「学年で成績が七番だったからです」と答えたそうです。カウンセラーの方は、最初は何を言っているのかわからなかったそうですが、どうもその子が通っていた普通科の高校からは、学年の五番以内に入らなければ就職が回ってこないそうです。だから学年で七番の子は大学に行くしかなかった。(p72)