ガー・レイノルズ シンプルプレゼン
P.28

 準備は 3 つのプロセスの中で最も重要なパートです。時間がないと適当に済ませてしまいがちですが、重要なので時間をじっくりかけるべきです。

 いつも忙しくしている人へのアドバイスは、まずは慌ただしい気持ちを落ち着かせること。道教の教えに「流れる水に自分の姿を映すことはできない。姿を映すことができるのは静かな水面だけである」という言葉がありますが、プレゼンにも同じことが言えます。慌ただしい気持ちでは、物事を見極められず、アイデアも出てこないのです。
 一流の科学者やクリエーターも似たようなことを言っています。アイデアを考えるのに、一人になれる "孤独の砦" のような場を持つべきだと。ジャズやクラシック音楽を聴く人もいるでしょう。一人になり、心を落ち着かせて考える。そういう時にこそ素晴らしいひらめきが生まれるのです。

 映画「モンティ・パイソン」の俳優や脚本などを手がけたクリエーティブなジョン・クリーズ氏ですら、アイデアはどこから生まれるか分からないと言っています。ただ、少なくとも「パソコンからはアイデアは生まれない」と言っています。この彼の言葉には、注意深く耳を傾けるべきです。