生きる技法
このような──両親の誉れとも言うべき──人たちには、強靭で安定した自信があるはずなのですが、実際には話はまるで逆なのです。その人たちの手がけることは、すべてうまく行き、素晴らしい結果に終わって、その人たちは賞賛されたりねたまれたりします。成功することが大事な場合に失敗することはありません。けれども、何をしても駄目なのです。すべての成功の裏に憂うつ、空虚感、自己疎外、生の無意味さが潜んでいます──自分は偉大な存在だという麻薬が切れたり、「頂点」でなくなったり、間違いなくスーバースターとは言えなくなったりすると、あるいは突然、何らかの、自分の理想像に合わなくなってしまったと感じたりしますと、隠れていたものが即刻頭をもたげます。p.138
--出典: 生きる技法
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