ユーザーインタフェースデザインの基礎知識 ~プログラム設計からアプリケーションデザインまで~
評価 : (4.0点)

著者は教育用ソフトウェアの企画開発を主に行うファンテック株式会社の設立者ということで、ソフトウェアのUIについて学ぶために読んだ。
Chapterは大きく4つに別れ、Chapter1でUIの重要性やUIをおざなりにすることによって引き起こされるヒューマンエラーの問題や損害について、Chapter2ではソフトウェアに関係なく一般的なデザインについて、文字、フォント、黄金比、色、アフォーダンスなどについてそれぞれ簡単に説明するという内容。ここまではある程度デザインやUIについて基本的な知識がある人は読む必要はないと思う。そして本題のChapter3,4でソフトウェアでいかにユーザに優しいインタフェースを作るかについて具体例や図も適度に使って分かりやすく説明している。この本を読まなくても自分でもそう設計するだろうなという部分も結構多かったが、活用できそうなものもいくつか学べたので読んで良かった。どういう内容かは引用に登録してあるものをさらっと見てもらうとイメージがつかめるはず。また、ここでのソフトウェアはPCのクライアントアプリケーションでの例が多いが、Webアプリケーションでもタッチパネルの端末でも使える普遍的な内容が多い。詳細は是非本書を読んで欲しい。
ちなみに一番面白かったのは、P141のCOLUMNのエレベータホールでの待ち時間の話。これは「問題解決のアート」という本に掲載されているものを一部抜粋したものらしく、エレベータが遅いというクレームに対して、エレベータ数を増やす、現在あるエレベーターのいくつかあるいは全部をより速いエレベーターと取り替える、などのコストが大きくかかってしまう解決法に悩むが、最後はあっけなく少ないコストで問題が解決されてしまうという話。


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