悪名の棺―笹川良一伝
評価 : (4.0点)

笹川良一といえば「右翼の大物」「A級戦犯」「競艇の元締め」
といった程度の断片的な評判(知識ですらない)。この本を読んでそんな表層的な認識が恥ずかしくなるほど一変した。20代後半で先物取引で才覚を発揮し現在の価値で30億円を手にした若者は自費で政党を立ち上げ政府の圧力に抗いながら政治運動に身を投じ、戦後は戦没者遺族やハンセン病患者の支援に身を投じる慈善家笹川良一が描かれている。全面的に笹川良一の功績を肯定するのはまだ保留しておきたいが(批判的見地からの本も読んでみたい)、極めて人間味に富んだ仁愛の人であることは間違いがないようだ。


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