フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)
評価 : (4.0点)

好著です。
歴史とはこのように解釈し、分析するものだと目から鱗の記述。対象が高校生、そして新書という制限された範囲でいかにして複雑なフランス革命を分析するかに重点が置かれている。そこから「劇薬」というコンセプトで鮮やかに説明している傑作。特に王政、貴族、ブルジョア、民衆の関係とその思想ベクトルを図示したのは、とてもわかりやすかった。ナポレオンの登場までなぜ革命が右往左往したのか。またその後のパリコミューンなどの展開までもすっきり頭に入る。優れた入門書は、その後の読書を啓蒙、啓発するが、本書はその典型。


参考になった人:0人   参考になった