天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)
評価 : (5.0点)

守り人シリーズ最終章第3部。
チャグムとバルサは再び別れ、それぞれの道をひたすら進みます。
チャグムにとっての、シリーズ通じての最大の敵といっても過言ではない、父・帝との対決には、親子だから計り知れるものも、親子ながら相容れないものも、両方あって胸が痛みます。
そして緒戦に駆り出されたタンダとタンダを追うバルサも、辛い運命と向き合うことになります。
シリーズ最強のスーパー婆さんトロガイの一世一代の大呪術も必見です。
チャグムが参戦するためもあって戦場の描写もあります。

怒涛のように、戦争ごと物語は収束に向かいます。
失ったものも多く、ハッピーなエンドとは言い切れないのかもしれませんが、これも一つの大団円だと感じました。
文庫版の巻末鼎談で、佐藤多佳子氏が
「これだけ大きな話のラストが、こんなに、ふわっと終われるというのがすごく良かった。」
と語っていますが、そのとおりだと思います。


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