東京島 (新潮文庫)
評価 : (3.0点)

アナタハン島事件をモチーフに書かれた小説だと思う。けれどモチーフというだけで実際の事件になぞらえて書かれたものではなく、従って登場人物も、事件の経緯も事実とは異なり全く関係ない。特に心に残るといった感動を呼ぶような作品ではないけれど、娯楽小説として非常に面白かったと思う。偶々パッケージにつられてなんとなく借りてしまったレンタルビデオが意外と面白かったという感じ。最終章のエピローグについては、なぜ作者がああいった終わり方にしたのか僕には理解できなかった。文庫版の解説ではこの小説のラストを非常に肯定的に評していたけれど、僕には意味があるのか無いのかもよく分からなかった。なにか読み取れていないものが僕にはあるのかもしれないと思う。


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