モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
評価 : (5.0点)

はてしない物語を書いたミヒャエル・エンデの作品。主人公の周りの人々が次々と時間を盗まれていく物語の中で、余裕が無くなり、世間話すらしない、世界がどういう風になっていくかを描いた作品。大分時間がたっている作品ではあるが、忙しい現代になればなるほど、あらためて時間に支配されている生活をしている自分を振り返ることが出来る一冊。これを読んで、自分自身を振り返る機会にした方が良いという大人が日本には多いと思う。

また、このエンデは、エンデの遺言の著者でもあり、時間やお金など普遍的な価値に対する見識が非常に優れていて、それはファンタジーにしても色濃く出るとともに、エッセイなどもその考えに直接触れられるので、お勧め。


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