漂流 (新潮文庫)
評価 : (4.0点)

嵐に遭い無人島であった伊豆諸島の鳥島に漂着し、アホウドリを殺して飢えを満たし、雨水をアホウドリの卵の殻に集めて渇きを癒し、13年過ごした末に、漂流してきた木材をつなぎ合わせて船を作って生還した男の生き様を、吉村昭独特の緻密な筆致で描いている。本書を読んで『ロビンソン・クルーソー』を連想したけど、両作はどちらも史実をベースにしているが、本書の舞台となっている鳥島のほうが圧倒的に苛酷な環境だと思う。よく生還できたものだと感嘆する。しかし、全然知らなかったけど、北大路欣也主演で映画化もされてるのね。


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