文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
評価 : (3.0点)

とある商談のため、箱根山中の旅館「仙石楼」に滞在していた骨董商、今川雅澄は、姑獲鳥の夏の一件以来東京を離れて同旅館に居候していた久遠寺嘉親と出会う。時を同じくして、仙石楼へとやってきた中禅寺敦子と同僚の記者・飯窪、カメラマンとして同行した鳥口守彦。彼女らは科学雑誌「稀譚月報」の取材のため、「明慧寺」を訪れようとしていた。だがその「明慧寺」は京極堂こと中禅寺秋彦をしてその存在を聞いたことがないという寺でもあった。

そんな時、謎の僧侶の死体が、仙石楼の中庭に忽然と姿を現す。その死体は、敦子らが取材をするべく訪れるはずの寺院「明慧寺」の僧侶であり、また今川の商談の相手でもある人物であった。雪が深く積もっているにも関わらず、死体の周りには足跡ひとつない。それは「密室殺人」だったのだ。事件解決のために乗り込んできた神奈川県警は役に立たず、業を煮やした久遠寺老人は名探偵(と勘違いして)榎木津礼二郎を呼び出す。一方その頃、中禅寺秋彦も古本屋の仕事のため、旅行を兼ねて関口巽と妻たちを連れて箱根を訪れていたのだった…。


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