分類学からの出発―プラトンからコンピュータへ (中公新書)
評価 : (3.0点)

どうやら我々は、2000年以上かけて発展させてきた階層的分類法から、ネットワーク分類法へ転換する潮目に生きているらしい。この転換は、世にある情報量が圧倒的に増大した結果起こったことであるという。
 本書は分類学の歴史を追いつつその方法の概略を説明したものである。階層的分類は、ギリシア哲学に端を発し、キリスト教的世界観と強く結び付いてきた。実際、理解しやすいのはリンネの分類など古典的なものであるが、話が現代に近づくにつれイメージづらくなるのは、それだけ人が一生に触れる情報の広さや量が大きくなってきただろうか。
 本書は1993年の出版であり、まだインターネットが普及する前である。20年経ち、技術がドラスティックに変わった現在はどういう位置づけなのか。続編を読んでみたい。


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