シューカツ! (文春文庫)
評価 : (1.5点)

就職活動をテーマに書かれた小説。
「健全な石田衣良はいいこちゃんすぎてつまらないなー」と思わされた一冊。
主人公はたしかに真面目で元気ないい子だけど、紙みたいにペラペラで、全く共感できない。
本書の中に「シューカツって勉強できるかどうかを計る受験と違ってその人のすべてが計られる」的な言葉が書いてあったが、主人公が本書の中では就職活動(とバイトをちょっぴり)しかしてないので、主人公のすべてなんて全然見えない。
生きてる人間じゃなくて、「就職活動のなかで自分を計られて悩む女の子の話」っていうストーリーのために造られた人形みたいな感じ。

つまらない本って小説になってないレベルのものが多いけれど、これは小説として成り立たせつつもこんなにつまらないという高度なつまらなさを持っていて、その辺はむしろ石田衣良を評価したほうがいいのかもしれない。


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