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第二次大戦中にイギリスが実際に行った欺瞞作戦の全貌。あまりに登場人物が多いので、頭が混乱すること必至。巻頭の写真を見ながら読むとイメージしやすい。二人の情報将校を中心に、同僚、家族、二重スパイ、そして「存在しないスパイ」…なんじゃそりゃ。死後時間がたった死体を使用したり、手が込みすぎて逆に怪しい恋人からのラブレターとか、現代人から見ると「絶対バレるでしょ」てな偽装工作をナチスドイツが信じちゃったのは、ひとえに「希望的観測」が成せる業のよう。確かに法医学が進歩していなかったとはいえ矛盾を指摘する声はあった。それなのに死体と文書の矛盾を総合的に判断できなかったのは、関与した人それぞれが「見たいものを見ようとする」暗示にかかっており、情報が上層部へ上がっていくにつれ修正できなくなっていった過程が面白い。「希望的観測」…ほらほら原発の下に活断層があるとかないとか、それも「分からないならやめておきましょう」ってな方向に話が行かないのが不思議なんだけど、ナチスドイツが陥っていた魔のからくりに陥っていないか…心配です。
第二次大戦中にイギリスが実際に行った欺瞞作戦の全貌。
あまりに登場人物が多いので、頭が混乱すること必至。巻頭の写真を見ながら読むとイメージしやすい。
二人の情報将校を中心に、同僚、家族、二重スパイ、そして「存在しないスパイ」…なんじゃそりゃ。
死後時間がたった死体を使用したり、手が込みすぎて逆に怪しい恋人からのラブレターとか、現代人から見ると「絶対バレるでしょ」てな偽装工作をナチスドイツが信じちゃったのは、ひとえに「希望的観測」が成せる業のよう。
確かに法医学が進歩していなかったとはいえ矛盾を指摘する声はあった。それなのに死体と文書の矛盾を総合的に判断できなかったのは、関与した人それぞれが「見たいものを見ようとする」暗示にかかっており、情報が上層部へ上がっていくにつれ修正できなくなっていった過程が面白い。
「希望的観測」…ほらほら原発の下に活断層があるとかないとか、それも「分からないならやめておきましょう」ってな方向に話が行かないのが不思議なんだけど、ナチスドイツが陥っていた魔のからくりに陥っていないか…
心配です。