Keita Tokuda
ライブラリ 5 册 | 詳細レビュー 4 件 | 引用 0
一行紹介


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自己紹介


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地下室の手記 (新潮文庫)
評価 : (5.0点)

あぁなんでそうしてしまうの!!

人間は矛盾を抱えている存在なんですね。好きなのに傷つけて、友達になりたいのに嫌がらせて、善くありたいと思いながら罪を重ねるなんて。

ドストエフスキー最高。


生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)
評価 : (4.0点)

ものすごく有名な本ですが。。。

ワトソンやクリックもDNA構造の大発見前に読んでいた分子生物学の火付け役のような本(?)ということで、さすがにおもしろい。超一流の思考が見られる。

例えば、遺伝物質の大きさを、X線照射による突然変異の割合から推定していくくだりなんて、とても素敵。

量子論の基礎の方程式を発見し、分子生物学の火付け役にもなってるって、20世紀の2大発見両方に関っていると考えるとすごい人だなぁ。

こういうのを天才というのだろうか。

DNAと遺伝情報に関するところは言わずもがな、エントロピーのところも、「散逸構造」の概念の先取りだし。いまだに、「生命とは何か?」と聞かれたら「散逸構造だ」と答えるか、何かしらDNAに関することを答えるかのどちらかの人間が多いんじゃないだろうか。

・・・こういうのを天才というのだろうか!

あとがき的なところに、人間の意識に関して書かれている短い部分がある。ここでシュレーディンガーは、人間の意識が存在するということを、遺伝の問題やエントロピー減少の問題とは別次元の、もっとも難しく必然的に形而上学的・哲学的にならざるを得ない問題としてわざと本編とは別に記している。ここはけっこうトンデモなところがあって、依拠しているのはウパニシャット哲学で、人間の意識がそれぞれの人に個別にあって、人が死んだり生まれたりするとその個数が変わるなんておかしな考えであると一蹴している。いわく、意識というのは唯一、あるのみであると。そしてその根拠が、女性を抱いた時にひとつになる感じがあるじゃないか、というような話だから。。。

こういうのを天才というのだろうか(笑)。


生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (中公新書)
評価 : (5.0点)

「生きている状態とは何か」

内容はとにかくおもしろい。絶対に読んだ方がよい。特に分量的に大半を占める第一部は、ずいぶんと前に書かれたものなのに、なんかこうけっして古くないというか。少なくとも自分に大してはいろんな示唆に富む内容。

それ以上に、清水博という人の魅力を感じたなぁ。時代を先駆けた人だったんだろうなって思った。

これの第一部が書かれたのは、分子生物学が大手を振って生命科学研究の世界を席巻し始めた頃。しかし、清水博は、ダイナミックなシステムとしての生命を追い求めた!

第一部の前半は、エントロピーやエネルギー、静的な秩序(結晶などの自由エネルギーの低い状態)の解説から始まり、散逸系の動的秩序の説明として、レーザーを用いてハーケンのシナジェティックスの話をしたり、BZ反応を用いてプリゴジンの散逸構造の話をしている。

しかし、おもしろいのはやはり清水博らの独自の成果に関する言及があるその後から。清水博は、筋肉の研究において、「動的協力性」を実験において示した。それはプリゴジンの散逸構造でもあったし、ハーケンのシナジェティックな理論とも共通するものがあった。それらの理論の具体的な例として示した。(ちなみに津田一郎はこれに対してをマックスウェルデーモンとの関係で興味を持っているそうだ)。「動的協力性」の概念は筋肉にとどまるものではない。細胞内のレベルから、細胞群、組織、大脳皮質のハイパーコラム、人間のコミュニティ、社会、文化、生態系、全宇宙まで広げられる概念である。

さらに、後半では情報の観点から生命に関する考察が重ねられている。印象に残ったのは、「シャノンの情報理論では、意味の荷い手(アルファベットだとかデジタル信号だとか)としての情報が扱われるが、生命にとって重要なのは、生物にとっての『意味』であり、それを扱わなければいけない」ということ。うーん、なるほど!

そして、科学、科学技術、社会、哲学、西洋・東洋などの歴史と未来についての考察。

第二部は、かなり時間がたってから書き加えられた部分。その後発展した非線形力学の概念であるカオスに言及してあったりする。また、清水博の興味は大脳へと向かっており、それに関する考察もある。


脳と身体の動的デザイン―運動・知覚の非線形力学と発達 (身体とシステム)
評価 : (5.0点)

前半は、二足歩行のシュミレーションモデルから得られた知見に関するもので、後半は赤ちゃんの行動から得られた知見に関するもの。

二足歩行モデルにおいて重要なことは、このモデルでは歩きや走りに対応した明確な記号が制御元から与えられるわけではなく、外界・身体・神経系全てがまとまって力学系の相空間をなし、リミットサイクルによって歩行が形成され、自発的に歩きや走りが起こるということである。さらに、上位の制御系を加えることによって、障害物をまたぐなどの目的に即した行動も起こすことができる。この議論に関しては、力学系の言葉を用いてかなりはっきりと書かれていてわかりやすい。とにかく行動がシステム内で自発的に組織化され、ソウハツされるということである。

後半の赤ちゃんの行動・認知に関するU字型変化をめぐる議論はさらに力が入っている。U字型変化とは、赤ちゃんが生まれた時からある意味で高い能力を持つ運動パターンや認知能力が生後2ヶ月の頃一度落ちるように見える現象のことである。


ふうらい姉妹 第1巻 (ビームコミックス)
評価 : (4.0点)
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