親子という病 (講談社現代新書)
多くの人たちが「家族のため」にではなくて「自分が納得するため」に仕事を探すようになると、労働市場に偏りができて、経営者たちは困ってしまう。資本主義社会では、不満を言わずに単純労働に従事するような労働力も必要だからだ。(p149)
家族として生きない人が増えるということは、「何のために私は働くの?」と労働の意味や意義を求める人が増えるということでもある。しかし、その疑問にしっかり答えられるほどの充実感や満足感を与えてくれる労働は、世の中にそう多くはない。(p150)
「家族の絆を大切に」といかにも精神論ほ唱えるように繰り返す政治家たちは、本当は「親や病気の家族の面倒くらい、社会保障費を使わずに自分たちで見なさい」と言いたいのではないだろうか。(p149)
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