男女交際進化論 「情交」か「肉交」か (集英社新書)

著者
出版者
集英社
価格
¥735

評価・詳細レビュー

(4.0点)
今の当たり前に考える男女交際や恋愛観の萌芽は明治にあった。
火付け役は福澤諭吉。軟派な慶応は諭吉の影響かもしれないと、当時の諭吉の恋愛観を知るとつい思ってしまう。

男女交際には「情交(心)」と「肉交(体)」のバランスが必要で、どちらが欠けてもいけないと福沢は考えた。現代人にはちょっとビクッとする言葉。福沢が考えた「男女交際」を一般化させるための四つの段階提案が更にビックリ。step1.女性同士の交際を盛んにすること。step2.夫婦同士の交際を盛んにすること。step3.妻ある夫と夫ある妻との交際を盛んにすること。step4.最終段階として独身男女の自由な交際が可能なるとした。(「女学雑誌」明治19年)???さっぱり理解ができません。

本書は「男女交際」が社会通念として一般化するまでの日本の歴史を紐解きます。
「恋愛は論じるものではない」と言う方も多いのですが、今の当たり前は、とことん論じられああでもないこうでもないという経験をくぐり抜けて現在に至るという話です。

福澤の考えを引用紹介しながら、「恋愛」と「結婚」が結びつけたもの、「一夫一婦制度」による国家戦略に言及しながら、夫婦別姓や少子化、不倫、熟年離婚などの問題に歴史的視座を与える『〈恋愛結婚〉は何をもたらしたのか』もあわせて読むことをお薦めしたい。

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引用

日本で離婚が多い原因を求めると、もちろん一つでは足りませんが、男女交際が不可能であるという現実がその最大のものではないでしょうか。(「離婚の原因」「時事新報」1886年7月29日 福沢諭吉)
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