これはペンです

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¥1,470

評価・詳細レビュー

(5.0点)
村上龍氏が以前何かのインタビューで語っていた内容が、プログ
ラマが書いた小説に興味がある、という趣旨のことだったように
記憶している。

私も仕事でプログラミングをする機会があり、If文やFor~Next
文、While~Wendなどの条件文や反復文などは普通に使う。その
ため、こういう小説に出会ったときには、非常に興味をそそられ
てしまう。文書生成というテーマは、プログラマならだれでも行
き詰った時に抱く願望であり、仕様書の自動生成やロジックの自
動生成など、願いのタネは尽きない。

仮に文章生成を実装する場合、本来ならば設計にそった形でバグ
なく結果を収斂させてゆくのが、プログラマの本分だが、本書の
場合、それを文書生成というテーマを核に、どこまで拡散させて
ゆくかという点が見所になっている。

拡げた大風呂敷を矛盾なく折りたたんで懐に戻すことも小説の技
法末として重要だが、ある程度まで広げた後は読者に後始末を委
ねるという方法もある。

本書の場合、それぞれの読者がどういうロジックで後始末を行っ
たか、という点で興味は尽きないのだが、感性でなくロジックで
委ねる部分が大きいところに、本書の新味があると思った。

'12/04/10-12/04/12

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(4.5点)

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(3.0点)
「新潮」で読みました。これは・・ものすごい評価がつけづらい作品。芥川賞候補作品になったけど、実験小説を書こうとしているのか、むしろそういったカテゴライズに抗おうとしているのか、そもそも、何にも考えていないのか、わからない。「円城塔」じたいが、思考停止した文壇にポーンと投げつけられた、実験動物なのかもしれない。「円城塔を認めるか、否か」これは読む人が決めるしかないだろう。私は『Self-Reference ENGINE』は超えられていないと思うけど、芥川賞を獲るならこちらの作品のほうが適しているとは思う。

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