政策決定過程で官僚が面倒で複雑な利害調整を引き受ける代わりに政策に一定の影響力を持ってきたことは事実だが、それは主導権を握るとか、まして政治を裏から支配するというようなものではないという筆者の経験からの意見は説得力があるのではないか。結局、政治主導とは制度の問題ではなく、政治家の意欲と能力の問題であるが、そうであれば国会への遅刻の責任まで部下である官僚のせいにして恥じない民主党の政治家が政治主導を実現できるかといえばほとんど絶望的と言える。