|入門|ケース・メソッド学習法―世界のビジネス・スクールで採用されている

(4.0点)
ビジネススクールで定番の学習メソッドとして知られるケース・メソッド(以下「ケース」)。
特にHBS(ハーバード・ビジネス・スクール)がケースを重視していることで有名。

ケースは物事を深く考えさせることに強みを持つ学習メソッドなんだけど、
我々が子どもの頃から慣れ親しんできた講義型の学習メソッドとのギャップが大きいために、
はじめて触れる人は戸惑うことになる。

本書はそんなケースビギナーのために
ケースの取り組み方を解説している。

と説明するとケースに関わりのない人には
まったくメリットがないように思えるけどそんなことはない。

普段の仕事やとりわけ読書術の参考になる。
参考になるのはたとえばこのあたり。

1.椅子に反り返ってテキストを読んでもどうにもならない。主体的に読み自分で意味を構築すること。
2.読むことに時間を費やすより考えることに時間を費やすべき。
3.目的をもって読むこと。疑問をもって読むこと。回答を求めて読むこと。
4.全体像をまずさっと理解してから必要な部分を熟読すること。
5.マーカーを使うのは考えることを後回しにしているだけの受動的な読み方なので書き込みのほうがいい。
6.2つか3つでいいから学んだことの要点をまとめて読み返すこと。

もちろんケース特有のHow Toとしても使える。

ケースはその特徴から参加者(つまり学生)の取り組み方次第で教育的価値が変動する。
従って参加者の取り組む姿勢やスキルは重要。

そしてそれはたとえばビジネスミーティングでも同じことが言えるわけで、
本書の有効射程はかなり広いと思う。

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