ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業

評価・詳細レビュー

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著者はハーバード大ビジネススクールの教授であるヤンミ・ムン氏。この書籍の原著は「Different」、つまり差別化の本である。章立ては大きく2つに分けられ、前編でなぜ差別化されず同じような商品ばかりが出回るのか、そして後編で差別化に成功している企業・商品について世の流れの逆を行く「リバースブランド」、既存の分類を書き換える「ブレークアウェイ・ブランド」好感度に背を向ける「ホスタイル・ブランド」として紹介されている。ただこの本は、如何にすれば差別化をするかというのを目的とした本ではないのだと思う、著者自身がそういった事にビジネススクールで取り組み、そこで考え事、学んだこと、そして感じた事を人間味あふれるエピソードを盛り込んで書かれた非常に面白い本。

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引用

差別化は手段ではない、考え方だ。姿勢であり、傾聴や観察、吸収、尊重から生まれる。それはなによりも取り組みなのだ。そして、そのその取り組みを通して人々に伝える。「ええ、私たちは分かっていますとも」
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大学院生の頃、ずば抜けて才気あふれるアドバイザーが居た。確かに頭は良かったが傑出した研究者集団の中では、それが第一の魅力だったわけではない。彼の卓越性は世界をどんなときにも意外な視点から眺められる点だった。(略)いつだったか、彼の抑制されない知性、奇抜な視点を認める柔なさに対して、私が驚きを示したことがある。彼の返事は私の目を開かせてくれた。「僕が自由でいられるのはね、常に100%完璧でなくてはならないとはおもっていないからさ。僕のゴールが完璧であることだったなら、僕は世界にほとんど貢献できないだろう。その代わり、僕がやろうとしているのは、僕が見つけられる一番面白い2%を探し出すことだ。そして、そこからしか得られないような視点を提供する。秘訣はね、誰も目を向けないような一番面白い2%を探し出すことだ。」
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大学院で教え始めた頃、ゼミの学生たちの意欲を高めようとある方法を思いついた。楽器の中間地点で、一人ひとり詳細な評価を行うことを決めたのだ。(略)数週間もしないうちに評価の影響が明らかになった。全員が評価の低かった項目の改善に専念していた。(略)強みをもっと伸ばそうとする学生は一人もいなかった。
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