舞姫 ヰタ・セクスアリス―森鴎外全集〈1〉 (ちくま文庫)

著者
出版者
筑摩書房
価格
¥1,050
(5.0点)
僕が読んでる全集は、リンクの全集ではなく、もっと古い図書館にある全集である。
その新潮社の全集には、ほとんどの森鴎外の代表作が掲載されている。

その全集も終盤にさしかかり、幾つか気付いたことを書き留めておく。

1.森鴎外は、夏目漱石とよく並び称される。
が、漱石が明治時代のという、まだ江戸時代の名残がある時代に生きたにもかかわらず、[近代人の苦悩、近代的自我]をテーマに持ってきたにもかかわらず、
森鴎外の書く小説のほとんどが、歴史小説であった。

これは、僕にとって意外であった。
なぜなら、「舞姫」の印象が強かったからだ。

2.森鴎外に登場する主人公らは、「山椒大夫」「高瀬舟」に見るがごとく、社会的に恵まれず、不遇の生活を送っている。
または、「阿部一族」に代表されるように、理不尽な目に遭う。
僕は、あえて社会的弱者という安易な言葉を使わない。

軍医として官僚としてエリートであった森鴎外には、そういう不遇の人達の境遇に対する確かな目が存在した。
このことは、明治、江戸という時代の豊穣さな一面を示していると僕は思う。
丸山、大塚、内田といった岩波文化人にもそういう面があった。
が、薄っぺらな現代は、どうだろう??
成功者は、自らの成功体験とそのセレブさを見せびらかせるのみである。
全く、こんな薄っぺらな時代に生きるということは、誠につまらない。
アホらしい。バカバカしい。時々、死にたくなる。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」
高杉晋作は、誠に実践するのに苦渋する言葉を残したものだ。

俺は、別に戦争体験してもいいから、60年代と70年代に青春を送り、10年前に死んでるような人生がよかったな~。
戦国と江戸時代はそんなに詳しくないけど、江戸時代は面白そう~
80年代は、ボロクソに言われてますが、前半は悪くなかったと思う。

死ぬのもアホらしい。

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