KAGEROU

著者
出版者
ポプラ社
価格
¥1,470
(1.5点)

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(2.0点)
もう、ちょっと乗り遅れ感が否めませんけど、水嶋ヒロこと齋藤 智裕氏が正体を隠してポプラ社大賞に応募し見事賞を獲得した(と言われて言る)「KAGEROU」を読みました。ぶっちゃけ自分は読む気ゼロで、ネットにてネタバレ記事まで読んでしまっていた人間だったりするのですが。オヤジが某書店のランキングにだまされる形で購入し薦められたので渋々……。というかどの書店も週間ランキングで1位を獲得とか、もう正気の沙汰ではありません。書籍そのものへの評価というよりも、水嶋ヒロ著っていう方がよっぽど注目されちゃっている気がします。。

 前置きが少し長くなりましたが、簡単にレビュー書きます。


★ストーリー
「命の尊さ」にスポットを当てたハートフルSF
借金に借金を重ね、生きる希望をなくしたヤスオは、とあるデパート屋上にて飛び降り自殺を図る
それをすんでのところで止めたのは、キョウヤと名乗る青年だった
キョウヤはヤスオの死後、家族に自分の借金のことで困らないだけのお金を工面しようと申し出る
その方法は、臓器提供だった

★感想
Amazonでのレビューの影響か、結構色眼鏡で見ていたところはあったのですが。
実際に読んでみると、平易な文体、1行の文字数も少なく、スラスラ読めました。
ネタバレ記事読んでいた段階では、ちょっと暗い話だと思ったのですが、案外温かい話でした。
主人公の心情・景色の描写とかは、並みの作家レベルぐらいには達しているのではないでしょうか。
オチを知っていたので最後まで意外性を持てずに終わりましたけど、まとめ方はまずまず。

悪い点を挙げると、この作品は結局読者に何を伝えたかったのかがいまいち伝わってこなかったこと。
あと、現実の現代社会の話を書いているのに、ちょっと科学的に飛躍している部分がある。
あと、決してハッピーエンドではないこと。ハッピーエンドである必要はないけれど、
もう少し練って、読者の心に響くようなエンディングが欲しかった。ここは個人的な意見。
あと、ハードカバーって嫌い。ここも個人的な意見。


とまぁ、こんな感じでした。
Amazonレビューで星1つが圧倒的に多い作品であり、地雷かなと思いましたけど、そうでもない。
処女作であるということを考慮すれば、割といい線行ってるとさえ思えてくる。
この調子で腕を磨き、もっともっといい作品を書いてくれればな、と今後に期待してみる。

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