都市の条件―住まい、人生、社会持続 (真横から見る現代)
不動産経済研究所による2010年の調査によれば、階数が20以上の超高層住宅の建設は、1987年から2009年にかけて、東京都では358棟、10万8133戸、首都圏(東京都と埼玉・千葉・神奈川県)では543棟、15万8896戸に達した。タワーマンションのプロジェクトは、港・江東・中央・品川区にとくに多く、都心とベイエリアに大量の住宅を供給した。
タワーマンションは、孤立・自足した「飛び地」をつくった(平山2006)。大規模なプロジェクトは周辺地域から水平方向に切り離され、上層階の住戸は地上から垂直方向に分離する。建築のスケールと形態は、地域の文脈との連続性をもっていない。
超高層の建築群を備え、オフィス・消費施設・マンション・アミューズメント施設などの複合用途を持つコンプレックスは、周辺地域の空間文脈から分離し、それ自体として完結するかのような「飛び地」を形成した。(p70)
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