砂の妖精 (福音館文庫)

(4.0点)
日常の中の魔法。エブリディ・マジックの原点でもある作品。
ちょっとグロテスクな容姿だけど願いを叶えてくれる砂の妖精、サミアドは、意地悪だし、偏屈。
そして、子どもたちの願いごともサミアドに負けじとひねくれている。
子どもたちの願いは、無垢というオブラートに包まれている「子どもだから許される」お願いごと。
サミアドがたくさんいた時代の人間は衣食住の願いごとしかしなかったのに、子どもたちは美しくなりたい、お金持ちになりたい、お城がほしいと言い出す。サミアドが最後に、自分の存在を子どもたちが他人に漏らさないように、子どもたちに願いさせる理由は思わず頷ける。

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