市民の日本語―NPOの可能性とコミュニケーション (ひつじ市民新書)

著者
出版者
ひつじ書房
価格
¥730

評価・詳細レビュー

(5.0点)

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引用

基本的に人は、自分と同じことを他人の中に確認して喜ぶという性質をもっています。自分と同じものを相手に発見して「ああ一緒なんだ私たちは」ということで喜ぶということは、同質性を確認した瞬間に、何か異質なものを排除しているんです。<略>異質性を他人の中に発見してそれを排除するのではなくて、自分の中に発見してそれを受け入れるというプロセスを見つけないと、永遠に同質性を発見して異質性を排除するという構造から、悪循環から、人間は自分を相対化できない(p198)
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私たちの状態は「世間はある、社会はない」という状態なので、世間が崩れると社会規範がなくなってしまうということです。そしてもともと個人はないわけですから、社会性ゼロの「自己チュー」が増える。つまり世間のなかで、世間を基準に生きるという基準やルールしか教えられていないために、世間がなくなっちゃったから社会性はないわけです。<略>自己チューは、もともと世間に必然なもので、これが今非常に増えている。これは対話が成り立たなく大きな原因の1つなんです。この人たちは人の話を聞かない。仲間内の会話しかできない。(p182)
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