「うつ」とよりそう仕事術

評価・詳細レビュー

(3.0点)
2011年12月刊。
うつ病から復職して仕事をする人をサポートしてくれる本。
いくつかのブログで紹介されていたのがきっかけで、読んでみました。

この本の筆者自身、うつ病を患い、2回の休職期間を経て、まだ完治していないながらも会社に復職されています。

「うつ病の本」や「仕事術の本」は数多く存在しますが、本書のように「うつ病の人向けに書かれた仕事術の本」というのは少ないのではないでしょうか?

タイトルには「仕事術」とありますが、仕事だけでなく、日々の生活(家事など)にも活かせる内容です。
特に「ステップ2 基本編」の内容は、うつ病でない方にも、会社勤めをしていない方にも役立ちます。

■「GTD」でストレス軽減
基本編の中では、「GTD」と呼ばれるタスク管理の手法が紹介されています。
GTD とは何かを、本書の言葉を借りて説明すると、
「気になることすべてを、頭の外で、もう気にならない形で、最新を保ちながら管理する」(p.62) という方法です。
私自身、仕事とプライベートの両方で GTD を3年間実践し続けていますが、この GTD の考え方がストレス軽減に役立つのは間違いありません。

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「GTD」は、不安定な状態でも仕事を進めることができるという点で、他の仕事術では得られない安心感を得ることができる希有な仕事術です。(中略)取り入れるか否かは別として、一度は GTD 関連書籍は読んでおく価値はあると私は思います。
(p.71「GTD」のフロー図がもたらす安心感)
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■復職には「努力」も必要
本書を読んで強く感じたことは、筆者は、復職するためにかなりの努力をされているということ。
うつ病というのは、まずはゆっくり休み、休養や薬の効果が出始めたら会社に復職…という単純なものではなくて、リハビリ期間を設けて、復職するための精神力を意識的に養っていく必要があるんですね。


本書には、ストレスを少なくして仕事をこなすためのヒントがちりばめられています。
日々の仕事や生活にストレスを感じている方に、おすすめです。

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引用

休職し、復職を果たして成長できた今ならば、昔の半分の頑張りでも、きっと質の高い仕事をすることはできるはず。不安にかられてしまう心境はよくわかりますが、自分の成長を信じて、焦らず・じっくり・慎重に、不安の壁を乗り越えるだけの「成長が」自分にあることを信じて、取り組んでみましょう。
(p.173 あの日からの「成長」を信じよう)

うつ病は改善する病です。
うつ病を改善させるためには、「今の自分の状況をいかに楽しんで生きるか」という姿勢が大事です。生活の楽しさや豊かさは、お金があるからモノが買えるとか買えないとかではなく、非常に穏やかで誰にでもできる「小さな生活の工夫をすること」ではないかと私は思っています。
(p.186 「うつ病だから」は止めよう)
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