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10代の頃に読んで、いまだにこの「ある種の」嫌悪感を
超える小説に出会ったことがない。
主人公の作家が、かわいらしい女学校あがりの女門下生(芳子)に崇拝され
もう、うれしくてうれしくて、大好きになっちゃって
妻子のいる自宅に置くほど気に入っちゃって
芳子への独占欲がたかまってくるにつれ
処女性を求める気持ちがどうにも抑えられない。
本当は恋愛なんて断固禁止したいけれど、反対して芳子に嫌われたくないから・・・識者の意見としてやんわり反対してみたり。
そんな中年のヌメっとした気持ちを赤裸々にして話は進む。
そしてラストは、家を出て行った芳子の蒲団やら汚れたパジャマの匂いをかぎながらむせび泣く主人公。
ほんとぞっとする。