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吉本さんからよしもとさんに変わったのか。あまりにも久しぶり過ぎて名前を変える経緯が全くわからないけれど、文体や表現力、文章のもつ透明さは昔読んだ作品となんら変わっていなかった。
静かに流れる時間とシンとした少し冷たいような空気のなかにあるひだまりのような関係と温もりいっぱいの人たち。ドロドロとしたものが苦手で、嫌なものや嫌いなタイプの人達を深く描写しようとしない感じ。
この作品は5つの短編で構成された小説だけれども、主人公の持つ雰囲気が同一で出てくる男の子の系統も同じ。
読み終えられたのはひとえにこの人の持つ繊細な表現力以外にない。
嫌いではないけれど、次に読むのはまた10年後でもよいかな。