今、これまでごくあたり前で、考える必要もなかったような事々について、あらためて新鮮に考えることができる時期を社会がむかえていると思う。
結婚って、教育って、新聞って、お金って、時間って、国って、そもそもなんだっけ?という具合に。
社会をつくる時代があり、その恵みを享受する時代がつづいて今日にいたる。明治維新と敗戦というふたつの節目で、社会のつくりに大きく手を加えた日本で生きているわたしたちは、程度の差こそあれ文化的な記憶喪失状態にある。(p.010)
--出典:
自分をいかして生きる