──咲いている花を見て、ああきれいだな・・・・・・といつの間にかそばに近寄って、花にむけて手がのびる。この手はいったいなんだろう。──
〈略〉
僕は先にお客さんでいられないこと、それだけではおさまらないようなことの足元に、一人ひとりの〈自分の仕事〉の鉱脈があるんじゃないかと書いた。
他の人には任せたくないこと。思わず手がのびて、掴みにゆくような衝動が生じること。それは思考というより、存在から湧き上がってくる動きだ。そしてそれが成果に至るひとつながりの働きとして他者や社会に差し出される時、その人はならではの、掛け替えのない〈自分の仕事〉になるんじゃないかと思っている。
--出典:
自分をいかして生きる