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「小さな賭け」の原則とは──
●実験する──試行によって学ぶ。素早く行動し、素早く失敗して教訓を引き出す。実験によってプロトタイプを開発し、洞察を深める。問題を明確化し、創造的なアイデアを生む。ベートーベンが新しいロマン派音楽のスタイルを生み出した過程を考えよ。
●遊ぶ──即興とユーモアにあふれた遊びの雰囲気はわれわれの心をリラックスさせ、心の束縛を解く。これによって、創造的なアイデアを窒息させる焦りによる早すぎる判断を防止する。
●没頭する──安心なアイデアや洞察を得るために外界に飛び出して、全身で環境に浸る。人々の行動の動機となる欲望にまで踏み込んで、世界のものごとはどう動いているかを深いレベルで理解する。
●明確化する──こうして吸収した情報に基づく洞察を利用して、問題を再定義する。問題を十分理解しないうちに解決を急いではならない。グーグルの創立者たちは、図書館での検索アルゴリズムを開発しているうちに、これがもっと広汎な問題の解決に適用できることを発見した。
●出直す──より大きな問題を発見するには、柔軟でなければならない。小さな勝利をきっかけに、思いがけない解決に導くような問題の見直しのチャンスが訪れることがある。あらゆる機会を利用せよ。
●繰り返す──何度も繰り返し問題に取り組み、テストを重ねるうちに知らず知らずに優れた知識、経験、洞察が蓄積されていく。クリス・ロックが演し物を完成させる長いプロセスを見習え。
--出典:
小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密