逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
「かりにヨーロッパ人同士の夫婦が、ソファや椅子、ならびにそれに付き物のテーブルなどのない家を借りて、清潔な畳の上に横たわることに耐えられるとすれば、年収四百ポンドで結婚生活が営めるかどうかという論争などたちどころに解決して、誰しもが結婚できる見通しをえるだろうことは確実だ。日本においては、若い夫婦が家具屋の請求書に悩まされることはありえない。」p.121