《レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており,バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており,ラカンは「大人になれよ」と言っており,フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。》(200ページ)
本書は,構造主義前史としてマルクス,フロイト,ニーチェを,始祖登場としてソシュールを,四銃士としてフーコー,バルト,レヴィ=ストロース,ラカンを取り上げ簡潔に紹介するという手法をとっている。
マルクスが主張した「労働を通じての自己規定」、フロイトが発見した「無意識」、
ニーチェが説いた「超人道徳」と言う前史をへてフーコーやレヴィ=ストロースにしても、結局のところ、人間の自律性なんてものは眉唾物に等しく、その思想と行動は、社会的規範と枠組みによって規定されていることを言いたかったのだろう。
構造主義的思考が常識となっている今日、そうした知見を批判的に考察する時でさえ、構造主義的知見に頼らざるを得ない…。
--出典:
寝ながら学べる構造主義 (文春新書)