明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)
人と人のつながりの中に入っていくときの企画のポイント
どこかのパーティで知り合った人から連絡があり、飲むことになった。友人も紹介してほしいというので、いつも仲間と飲んでいる会に呼んであげることにした。
彼はなかなか話し上手で面白い。気遣いもありなかなかデキる男な感じ。場はいい感じで盛り上がった。さんざんいろいろと話して仲良くなり、じゃあまたなと別れようとするとき、「実は」と彼が切り出しにくそうに話しだした。「保険に興味ないかな?」
保険の勧誘かよ!場が急に白ける。あなたが保険屋さんなのは最初から知ってたけど、いまそれする!?結局それが目的!?いままでの愉快な時間もそのため!?
これでは誰も保険なんかに入ってくれない。
では、彼は果たしてどうすれば良かったのだろうか。
もっと時間をかけて親しい関係になるのを優先すべきだったのである。
もっと時間をかけて親しい関係になって、信頼関係をきちんと築くべきだったのである。そうしてボクらが「どうせ保険に入るなら彼から入ってやろう」「彼も最近営業成績で困っているらしいから、助けるつもりで入ってやろう」「いや、こんないいヤツ、もっと積極的に応援してやろうよ。他の友人にも薦めてやろう」と思うまで、ロング・エンゲージメントすべきだったのである。