そもそもネットのコンテンツは、テレビとちがっていつでも自由に見られるわけだから、基本的には時間の制約とは無関係ですよね。でも、テレビ番組をハードディスクに録画すると見ないで放置しまうことが多くなるのと同じように、いつでも見られるものは、じつは有難味が小さいんです。
となると、逆説的ですが、時間の制約から自由なネットでも、もっとも有難味があるのは「生配信」ということになる。つまり放送も通信も、仕組みは違えども、企画のよしあしは「いかに人の生活から時間をもぎ取るか」で決まってくるんです。要するに、きょう見たくなるコンテンツ、今見ないとダメだと思わせるコンテンツをつくれるかどうか。そういう勝負になると思うんですよ。そう考えると、テレビのコンテンツのほうに分があるんじゃないか。 吉田正樹(P33)
--出典:
しかけ人たちの企画術