バルザックは『あら皮』で、「降ったばかりの雪のようなテーブルクロスの上に、左右の釣り合いのとれた食器がそびえ、その上をブロンド色の小さなパンが飾る」と表現していた。セザンヌは「青年時代を通じて、私はこれを、すなわち降ったばかりの雪のようなテーブルクロスを描きたいと思っていた…。しかし今では、左右の釣り合いのとれた食器がそびえているところや、ブロンドの小さなパンしか描こうとしてはならないことがわかっている。もしも『飾る』を描いたら、私の絵は一巻の終わりだ。おわかりかな。ほんとうに食器やパンの色調を自然のニュアンスのままに描きだし、バランスをとれば、『飾る』も雪もすべてのふるえも、みんなそこに現れるだろう」と語っている。