僕は自分を暴虐だとは思わない。お粗末なものはお粗末だと面と向かって言うだけだ。本当のことを包み隠さないのが僕の仕事だからね。自分がなにを言っているのかいつもわかっているし、結局、僕の言い分が正しかったってなることが多い。そういう文化を創りたいと思ったんだ。
僕らはお互い、残酷なほど正直で、お前は頭のてっぺんから脚のつま先までくそったれだと誰でも僕に言えるし、僕も同じことを相手に言える。ギンギンの議論もしたよ。怒鳴り合ってね。あんないい瞬間は僕の人生にもそうそうないほどだ。僕は、「ロン、この店はまるでクソだね」ってみんなの前で言える。全然平気なんだ。「こいつのエンジニアリングは大失敗だったな」って、責任者を前にして言うこともできる。超正直になれる - これが僕らの部屋に入る入場料なのさ。
もっといいやり方があるのかもしれない - みんなネクタイをして上流階級の言葉を使い、遠回しに避難するような感じで話し合う紳士のクラブ、みたいにね。でもそんなやり方、僕の知っているなかにはない。カリフォルニア中産階級の出だからね。 P428
--出典:
スティーブ・ジョブズ(下)