私の友人の香港大学の先生がいます。彼は香港の貧民窟に生まれ、父親に厳しく育てられて、何かを実現しないと決して褒められはしない、ということを体で覚えてしまいました。その馬鹿力を利用して、香港大学に合格し、オックスフォード大学で博士号をとり、香港大学の先生になったのです。
その彼も、私と同じことを言っていました。大学に合格しても、博士号をとっても、本を出版しても、就職しても、その一瞬だけホッとするけれど、すぐに不安になって、次は何をしないといけないのだろう、と考えてしまう、と言うのです。p.136
--出典:
生きる技法