エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門
評価 : (4.0点)

エロマンガっていう媒体の、歴史的な流れという縦軸、ジャンルとしての横軸それぞれの動きを解説していく、エロマンガというブラックボックスの見取り図のようなもの。
ブラックボックスと言ったのは、要するに何が快楽か、という、自分自身も把握できていない部分を分解してみようと試みているからである。これはつまり、エロに限らず、何で漫画を読むのか、描くのか、という話に関わってくるわけです。
著者が高齢なので、ダーティ松本などのエロ劇画や大塚英志の編集者時代に触れているのは分かるのだが、上連雀三平の「アナルジャスティス」に見られるトランスセクシャルなど、己がリアルタイムに目にしてきた読み物についても結構なページ数を割いていて興味深かった。


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