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百閒が今までに食ったものの想い出についてつらつら記すエッセイ風の読み物。食事そのものより、それを食べたときの百閒自身の身の回りを中心に書かれている。冒頭、法政大学の教授職を辞して貧窮していた頃の配給暮らしから始まるのが、なかなかどぎつい諧謔というか、むしろ、「このような現状でこうした本を出すことを理解して欲しい」というエクスキューズなのかもしれない。御馳走といっても料理だけでなく、嗜好品も含まれるのがおもしろい。酒の話も多かったが、分けても煙草の話が良かった。百閒は小学校に上がる前から、乳母(百閒はこの乳母に大変可愛がられて育ったそうだ)に与えられて煙草を嗜んでいた、という話から、煙草の種類、値段の変化、といった現代人にも見られる、愛煙家ならではの愚痴が溢れていて、文学者も俗人、と思うこと必至。おもしろいが、ちょっとボリュームがありすぎるかなー。もう百ページくらい削ってくれると読みやすいんだけど。
百閒が今までに食ったものの想い出についてつらつら記すエッセイ風の読み物。食事そのものより、それを食べたときの百閒自身の身の回りを中心に書かれている。
冒頭、法政大学の教授職を辞して貧窮していた頃の配給暮らしから始まるのが、なかなかどぎつい諧謔というか、むしろ、「このような現状でこうした本を出すことを理解して欲しい」というエクスキューズなのかもしれない。
御馳走といっても料理だけでなく、嗜好品も含まれるのがおもしろい。酒の話も多かったが、分けても煙草の話が良かった。百閒は小学校に上がる前から、乳母(百閒はこの乳母に大変可愛がられて育ったそうだ)に与えられて煙草を嗜んでいた、という話から、煙草の種類、値段の変化、といった現代人にも見られる、愛煙家ならではの愚痴が溢れていて、文学者も俗人、と思うこと必至。
おもしろいが、ちょっとボリュームがありすぎるかなー。もう百ページくらい削ってくれると読みやすいんだけど。